設立趣旨
我が国の障害者施策は、障害種別ごとに別々な施策となっていましたが、平成18年に施行された障害者自立支援法により、知的・身体・精神の三障害者施策が統合され、障害のある方が地域で当たり前に暮らせることが進められました。
しかし、この地域では社会資源が少なく選択肢に限りがあることにより、障害のある方が必要なサービスが受けにくいのが現状です。
また、精神障害者は1900年(明治33年)に制定された「精神病者監護法」により、地域社会から遠ざけられてきた歴史があり、いまだに社会には差別や偏見が残っています。国はようやく入院患者の地域移行や地域定着などの施策を行い始めましたが、社会資源の少なさから、この地域に戻り暮らし続けるのは困難なことが多くあります。
そこで、わたしたちはこの地域に住む、障害がある方の「自己決定を支える」ことを理念に、相談支援を始めとする障がい福祉サービス事業を行い、障害のある方の自立と社会参加を進め、障害のある無しにかかわらず、全ての人々がどのような状況においても人として尊重され、その自己実現が可能となる社会を造ることを目的として、特定非営利活動法人を設立します。
平成24年10月15日
沿革
- 平成25年 1月
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法人設立
- 平成25年 4月
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「相談室ラルゴ」開設
特定相談支援事業所指定
委託相談支援事業受託
- 平成25年 5月
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一般相談支援事業所指定
- 平成25年10月
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地域活動支援センターⅠ型事業受託
- 平成27年 1月
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和歌山県長期入院精神障害者地域移行促進事業受託 (平成31年3月終了)
- 平成28年 9月
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共同生活援助事業「ホームマズルカ」開所
- 平成29年 2月
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グループ法人(合同会社ネオ)設立
- 平成29年 5月
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グループ法人にて「訪問看護ステーションフレッタ」開設
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グループ法人にて和歌山県精神障害者受療促進体制整備(アウトリーチ)事業受託
- 平成30年 9月
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自立生活援助事業指定
- 令和2年6月~12月
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一般社団法人 コード・フォー・ジャパン主催のSTO創設プロジェクトに参加
- 令和3年 4月
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和歌山県精神障害者地域移行ピアサポーター活用事業受託
事業報告書
2021年度 | 2021年度事業報告書等(PDF形式:530KB) |
2020年度 | 2020年度事業報告書等(PDF形式:542KB) |
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2019年度 | 2019年度事業報告書等(PDF形式:498KB) |
2018年度 | 2018年度事業報告書等(PDF形式:505KB) |
2017年度 | 2017年度事業報告書等(PDF形式:452KB) |
定款等 | 定款(PDF形式:308KB) |
ネオでの職種・資格職
精神保健福祉士
精神保健福祉士は、精神保健福祉法に基づく国家資格で名称独占(資格保持者以外に精神保健福祉士という名前を使ってはいけない)の資格であり、専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うことを業(仕事)とする者です。
厚生労働省ホームページから引用
ネオの事業は「精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設」に該当し、相談支援や地域活動支援センター、ホームマズルカで、精神疾患や精神障害の専門的知識及び、相談支援の技術を使って支援を行っています。
資格を取得するにはいくつかの方法があります。
- 福祉系4年制大学で指定科目を学び卒業する
- 福祉系2年制大学で指定科目を学び卒業し、2年間の実務経験を行う
- 4年制大学を卒業後2年の通信制養成校で学び修了する
- 高校卒業後4年間の実務経験を行う
- 社会福祉士取得後、1年の通信制養成校で学び修了する
いずれも、その後国家資格を受験し合格する必要があります。また、公益社団法人日本精神保健福祉士協会の生涯研修課程である認定精神保健福祉士の取得も推奨しています。
ネオでは、国家資格取得に向けたサポートとして、実習やスクーリング中の特別休暇の取得、養成校のレポート作成支援、国家試験対策の勉強会等を行っています。
資格取得者には資格手当を支給しています。
相談支援専門員(相談室ラルゴ[相談])
支援員(相談室ラルゴ[地域活動支援センター])
世話人、生活支援員(ホームマズルカ)
サービス管理責任者(ホームマズルカ、相談室ラルゴ[自立生活援助])
ネオのストーリー
ネオの成り立ちと想い
この地域に大きな水害が起こりました。台風12号による紀伊半島大水害です。那智勝浦町では記録的な雨量である1,186mmを観測、新宮市では時間雨量132.5mmの猛烈な雨が降りました。その災害により亡くなった方は那智勝浦町で33人、新宮市で14人、また那智川や熊野川の氾濫や土石流が発生し、広範囲の地域で被害が出ました。
精神保健福祉相談員として県立新宮保健所に4月に赴任したところで、地域のことは右も左もわからない状態だったこともあり、当時那智勝浦町役場の精神保健福祉相談員だった飯塚と、新宮市役所で同じく精神保健福祉相談員の杉谷と連携しながら、災害ストレスによるメンタル不調を訴える住民や、精神疾患があり災害のために通院や福祉サービスの利用ができなくなった住民の支援を行いました。
災害の急性期支援を乗り越えたころに見えてきたのは、災害によって顕在化されたこれまで地域では目立たなかった精神障害のある方であり、それに伴いこの地域の精神保健医療福祉の脆弱性でした。
毎月仕事が終わった後に3人で軽食を持って集まり勉強会を開きました。勉強会ではこの地域を分析し目指すべきゴールを想定し、それに向けての課題やロードマップを描きました。
ロードマップを書き終えたときにそのロードマップを走るアクターがいないことに3人は愕然となりました。
誰ともなく言いました。「自分たちでやろう!」と。
法人設立、実施する福祉サービスの選定、町への働きかけと、仕事をしながら着々と進めていきました。
平成25年(2013年)1月15日、こうして特定非営利活動法人ネオは誕生しました。
この地域で精神障害の方を支援する「新しい担い手」として行っていこうという思いを込めて、当時大ヒットした映画の主人公「ネオ(救世主の意)」にあやかり名付けました。
ネオは来年(2023年)で10歳になります。まだまだ子どもで、これからも成長し続けていきます。
精神障害のある方とその家族が自分らしく生きていけるように伴走する。また精神疾患になったことは不幸なことかもしれませんが、この地域に生まれたことが不幸と思わなくてよい地域を造る。それがネオの想いです。